介護で起業を目指すblog

脱サラ夫と看護師妻が介護で起業を目指してあれこれと悪戦苦闘する日々を綴ります

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余命2ヶ月と宣告されて家に帰されたのは主治医に見放されたから?【看護師妻】

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こんばんは。

今宵は看護師妻の天使ママがお届けいたします。

 

今日は強風でしたね。

自転車ごと飛ばされるかと思いました(笑)

砂埃が凄いし花粉症用の眼鏡をしていても目が痛いくらいでした。

 

先日、お伺いした利用者さんがこんな話をしてくれました。

子育てをしていたころのママ友さんで長いお付き合いのあるご友人の方と暫く連絡が取れず、心配していたらお電話があったそうです。

実はがんが見つかったんだけれども高齢で手術は難しく、他の治療ももうやれることがないということであと余命2ヶ月と宣告され、今後は自宅近くの病院にかかりなさいと言われて自宅に帰ってきたところとのことでした。

突然の闘病の告白に驚いたそうです。そして、余命2ヶ月と宣告されたご友人は先生に見放されたような気持ちだと言われ、その友人の方と一緒に憤ったとのことでした。「手術が無理でも他に何か手立てはなかったのかしらと思ってね。あと2ヶ月の命だと言われて自宅に帰されて病院を追い出されたような感じよね。」と仰っていました。

 

私が病院で働いていたころ、よくそういう言葉を患者さんからも聞きました。

「先生に見放された」「病院から追い出される」

こういう言葉を聞くとやるせない気持ちになります。

私が働いていた科は呼吸器内科の病棟だったので肺がんの患者さんなどがたくさんいらっしゃいました。肺がん以外でも呼吸器の病気は重篤なものが多く、100%完治できる病気が少ないのです。ですから、良くなる方よりも悪くなる方の方が圧倒的に多かったので余計にそういった言葉を耳にしたのかもしれません。

 

そういった言葉を聞くたびに、インフォームドコンセントの難しさを痛感します。

先生は見放したわけでも、病院は患者さんを追い出そうとしているわけでもないと思います。

がんの治療に使われる抗がん剤放射線治療では多くの副作用があります。元々の体力がない方にはその治療そのものが寿命を縮めることになりかねません。それでもいいからやってほしいという方もなかにはいらっしゃますが、治療をした翌日からベッドから動けなくなる人もいます。

重い副作用に悩まされながらでも最後まで治療し続けながら残りの余命を生きるのか、まだ歩けて話が出来て自分の意思で動くことが出来るうちに家に帰って残りの時間を自分らしく過ごすか、どちらかを選択しなければなりません。

 

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そして主治医はその選択肢をしっかりと患者さんに提示して選んでもらうことが必要です。もちろん、最後まで治療をしてくれと頼まれても本当にもう使える薬もないし、意味がないという状況もありますのでそういう時はそれをしっかりと理解してもらえるように説明することも大切です。

そして何より、事実を説明するだけでなく、患者さんの心を動かさないと意味がないと思います。

でもお医者さんのほとんどがただただ事実を説明しただけで終わらせてしまう人が多いので患者さんは納得できないまま退院が決まってしまって見放されたとか追い出されたという気持ちになってしまうのです。

 

あとたったの2ヶ月しかない時間にそんな気持ちを持ち続けながら一体どんな自分らしい時間を過ごせるでしょうか。

有意義な2ヶ月にしてあげることがせめてもの医療者の務めではないかと思うのです。

正直、病院で働いていると猫の手も借りたいほど忙しく、ゆっくり患者さんの話を聞いてあげられる時間はあまりありません。それでも、ここぞという大事なIC(インフォームドコンセント)の時くらい、とことんまで患者さんと話し合ってもらいたいなと思います。

お医者さんが無理なら、せめて看護師が患者さんの気持ちに寄り添って話を聞いてあげてほしいと思います。看護師から詳しい治療の説明をすることは出来ませんが、患者さんの思いを聞いて少しでも気持ちを楽にしてあげることや理解が足りないと判断して主治医に捕捉の説明を依頼することなら出来るはずです。

 

私はこの話を聞いて、利用者さんに「主治医の先生は見放したわけではなく、あと残り少ない時間を大事に過ごしてもらうためにお家に帰ることを勧めてくれたのかもしれませんよ。」とお話ししました。

主治医の先生が本当は何を考えて退院させたかは分かりません。でも、主治医に見放された、病院から追い出された、もっと他に打つ手はなかったのかという考えにとらわれて悲しい気持ちのまま2ヶ月を過ごすより、やり残したことはないか、整理しておくべきものはないかと少しでも前向きに考えた方がご本人のためではないかと思うのです。

 

私が話したことをそのご友人の方にお話しする機会があるかないか分かりませんし、余計なおせっかいだったかもしれませんが、病院でいろんな最期を看てきたからこそ、最後まで治療を続けることだけが全てではないと伝えたくなってしまいました。

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