介護で起業を目指すblog

脱サラ夫と看護師妻が介護で起業を目指してあれこれと悪戦苦闘する日々を綴ります

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介護職初心者必見! 介護保険制度のしくみと訪問介護サービスの利用料【脱サラ夫】

こんばんは。

夫婦で介護ビジネスを始めようとしている天使ママの夫、脱サラ夫のとうやです。

 

訪問介護事業を始めるにあたり、介護保険制度を理解することは重要です。

ここでは「介護保険制度」を知り、実際に掛かる訪問介護サービスの利用料を書いてみようと思います。

 

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そもそも「介護保険制度」とは?

介護保険制度とは介護が必要な状況になっても安心して生活が送れるよう、介護を社会全体で支えることを目的とした制度になります。

 

ふーん。  えっ?これって大昔からあったものじゃないの。

 

そう、あったものじゃないのです。

ここでは介護保険制度が出来た背景を2つのポイントにまとめてみました。

 

少子高齢化と家族による高齢者介護の限界が来た!

日本は超高齢化社会に突入し4人に1人が65歳以上ということはご存知ですか。総人口に対する高齢化率が今もどんどん増加している状況なんです。これは平均寿命の延びと出生率の低下の二つが要因と言われています。

 

では人口が高齢化するとどうなるか。

 

当然、生活上の介護や支援が必要な人が増えますよね。介護や支援は同居している家族が担うしかないですよね。

でもちょっと待ってください。出生率が低下していて高齢化率が増加しているってことは高齢者のみで暮らしている世帯が出てきますよね。家族だけによる介護は困難な状況なんです。

 

これを受けて1990年代後半から高齢者介護を社会全体で支えようという介護の社会化の機運が高まったのです。

 

1990年代までの高齢者介護の制度と社会福祉基礎構造改革の始まり!

1990年代までは訪問介護通所介護・特養のサービスは市町村が必要性を判断して、行政の責任で支援をする措置制度というしくみでした。このしくみでは、利用料は所得に応じた負担だったので、低所得者にとっては使いやすいものでしたが、中高所得階層には費用負担が大きくなっていたのです。

 

訪問看護や通所リハビリ老健のサービスは医療保険制度で実施されており、高齢者が自分で主治医を選び、それを通じて利用サービスを決めるという契約制度で実施されていました。この制度では介護が必要な高齢者へのサービスであるにも関わらず、社会的入院、つまり医学的には入院治療の必要がないのに介護者がいないなどの事情によって入院しているといった問題が生じてました。

 

こうした経緯から、福祉サービス提供のしくみが見直されることになりました。具体的には国民で連帯して財源負担をするしくみ、民間非営利組織や民間営利法人にも福祉サービスへの参入を認めるといった市場原理を導入しました。

また、利用者負担は所得に関係なく一定の割合で負担することとして、国や自治体はサービス利用の条件を整備する役割、利用者は自分自身の責任でサービスを選択する方向に改革されることになったんです。

 

こういった背景があり、1997年に介護保険法が成立し、2000年に施行されるようになりました。

 

介護保険制度の基本理念

介護保険制度の基本理念、いわゆる目的と方針は大きくわけると7つあります。

 

  • 高齢者の尊厳の保持
  • 要介護状態の軽減・予防の重視
  • 医療との十分な連携
  • 被保険者の自由な選択による被保険者にふさわしいサービスの提供
  • 民間活力の活用による多様な事業者・施設によるサービスの提供
  • 在宅における自立した日常生活の重視
  • 国民の共同連帯

 

重要なのは介護が必要になっても、認知症になっても同じ一人の人間なんだよ。介護状態が悪化しないように、もしくは介護が必要になるのことを防ぎましょう。高齢者の介護を社会全体で支援して、高齢者の自立の支援をしていきましょう。

介護保険制度にはこういった目的と方針が示されているのです。

 

介護保険制度のしくみ

介護保険制度は加入者が保険料を出し合い、介護が必要な時に認定を受けて、必要な介護サービスを利用するしくみになっております。

 

保険者(運営の主体)は

介護保険制度の保険者(運営の主体)は市町村です。保険料と公費を財源として介護保険事業を運営しています。

 

被保険者(加入者)は

介護保険制度に加入する被保険者は、法律により定められており加入が義務付けられております。

第1号被保険者65歳以上で市町村の区域内に住所がある者)

第2号被保険者40歳以上65歳未満で市町村の区域内に住所があり、医療保険に加入している者)

 

保険料は

第1号被保険者は年金からの天引きや直接保険者に納付する方法で支払います。

第2号保険者は国民健康保険または職場の健康保険料となどと一緒に納付します。

保険料は所得に応じて決定されます。

 

介護保険で受けられるサービスは

介護保険サービスで受けられるサービスは大きく分けて施設サービスと居宅サービスの2つにわけられます。2006年4月から介護予防サービスも新たに加わりました。

 

施設サービス

居宅サービス

  • 自宅を訪問して受けるサービス

  (訪問介護訪問看護・訪問入浴・訪問リハ・居宅療養管理指導等)

  • 日帰りで施設・事務所に通って受けるサービス

  (デイサービス・デイケア認知症対応型通所介護等)

  • 家族が介護で一時的に困難になったときに施設で受けるサービス

  (ショートステイ等)

  (福祉用具の貸与購入・住宅の改修)

  • その他のサービス      

  (グループホーム・小規模多機能型居宅介護等)

 

介護サービスを利用するには

介護サービスを利用するには、被保険者が保険事故に該当する状態に陥っていると認定されることが要件になります。

保険事故とは、要介護状態もしくは要支援状態であり、定義づけられています。

 

要介護状態

身体上または精神上の障害があるため、日常生活における基本的な動作の全部または一部について、概ね6ヶ月間にわたり継続して、常時介護を要すると見込まれる状態

要介護1~5の区分が設けられております。

 

要支援状態

要介護状態の軽減もしくは悪化の防止に特に資する支援を要すると見込まれ、日常生活を営むのに支障があると見込まれる状態

要支援1~2の区分が設けられております。

 

※第2号被保険者(40~65歳未満)にっては、認定の条件として、要介護状態が特定疾病にもとづく場合に限定されています。

特定疾病(16疾病)・・・がん、関節リウマチ・初老期における認知症 等

 

要介護認定等の流れ

  1. 申請
  2. 市町村による認定調査・主治医意見書
  3. 一次判定
  4. 二次判定
  5. 認定と通知

 

申請・・・市町村の窓口に要介護申請の手続きをします。この申請は、家族や居宅介護支援事業者、地域包括支援センターなどの代行が可能です。

 

認定調査・・・申請が受理されると認定調査(訪問調査)が行われます。これは、本人の心身の状態に関する調査になります。74項目の聞き取り調査と「主治医の意見書」を書いてもらいます。

 

一次判定・二次判定・・・認定調査票をもとにコンピューターで一次判定が行われます。一次判定結果をもとに保健・医療・福祉の学識経験者5名の合議体(介護認定審査会)により二次判定を行い要介護度を決定いたします。

 

認定と通知・・・介護認定審査会での審査・判定結果を受け、市町村が認定あるいは不認定の決定を行います。認定は申請日から原則30日以内に行われ本人に文書で通知されます。認定の有効期間は、申請日にさかのぼって設定されます。

 

介護サービス計画(ケアマネジメント)の流れ

要介護認定後は、本人や家族の要望、生活の状況、利用できるサービスの上限等を勘定してケアプランを作成することが必要です。

ケアプランは自分で作成することも可能ですが、介護支援専門員(ケアマネージャー)に依頼して作成してもらうことが一般的です。これについて利用者の負担はありません。

 

介護サービスを利用する際の負担額は

介護保険サービスは、サービスごとに利用料金が決められています。

サービスを利用した時の自己負担は、原則介護サービス費用の1割となります。

 

 

訪問介護サービスの利用料

実際に訪問介護サービスを利用するにはどれくらいの費用が掛かるのでしょうか。

 

区分支給限度基準額

介護保険サービスを利用できるのに要介護毎に介護報酬額の上限が設定されています。これを念頭にケアマネージャーはケアプランを考えます。限度額を超えればその分は全額自己負担となるのです。

 

平成26年4月以降の限度額

  • 要支援1  5,003単位
  • 要支援2  10,473単位
  • 要介護1  16,692単位
  • 要介護2  19,616単位
  • 要介護3  26,931単位
  • 要介護4  30,806単位
  • 要介護5  36,065単位

 

※介護報酬の1単位は10円として換算されます。

 

訪問介護サービスの内容

訪問介護サービスは3つの日常生活にかかわるサポートとなります。

  • 身体介助
  • 生活援助
  • 通院等乗降介助

 

身体介助・・・利用者本人の体に直接触れて行うサービスです。食事、入浴、清拭、整容、更衣、体位変換、歩行・移乗介助、排泄介助、おむつ交換等

 

生活援助・・・利用者の身のまわりの世話をするサービスです。食事の用意、掃除、洗濯といった家事援助、日用品の買い物、薬の受け取り等

 

通院等乗降介助・・・通院や外出の際に、車の乗り降りの介助を行うサービスです。

 

訪問介護サービスの利用料金

3つのサービス内容と所要時間に応じて利用料は変わっていきます。

 

身体介助の利用料金

  • 20分未満          165単位
  • 20分以上30分未満      245単位
  • 30分以上1時間未満     388単位
  • 1時間以上1時間30分未満   564単位
  • 以降30分ごとの加算     80単位

 

生活援助

  • 20分以上45分未満     183単位
  • 45分以上         225単位

 

通院等乗降介助

  • 1回            97単位

 

主な加算

3つのサービス内容と利用時間による料金設定を基本として、提供時間や提供体制などの諸条件によって、別途加算料金が設定されています。

 

一定レベル以上の介護サービスを提供できる体制が整った事業所からの訪問介護は、特定事業所加算と呼ばれる加算料金が発生します。

 

訪問介護の加算項目

  • 早朝(6時~8時)          25%
  • 夜間(18時~22時)         25%
  • 深夜(22時~6時)           50%
  • 2人体制                200%
  • 初回加算(サ責が初回月に訪問)   所定単位の20%
  • 生活機能連携加算          100単位/月(初回利用から3ヵ月)

 

訪問予防介護の料金体系

訪問予防介護は、身体介護と生活援助などの区分が無く、利用費用は月ごとの定額制です。要支援1は1回から2回の2種類で、要支援2は週3回以上も可能です。ただし、定額制のため、1つの事業所しか選択できません。

  • 週1回程度の利用        1,168単位
  • 週2回程度の利用        2,335単位
  • 週3回以上の利用        3,704単位
  • 初回加算(サ責が初回に訪問)   200単位/月

まとめ

介護保険制度は施行されてから17年しか経っていません。現在も3年ごとに改正されており介護に携わる立場としては常にアンテナを張って理解する必要があります。

 

ここまでお読み頂き有難うございます。

 

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